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事実婚の配偶者が突然亡くなってしまった場合、喪主として葬儀や火葬等を行うことは出来るでしょうか?
結論から言うと、誰が喪主になるか、法律で決められているわけではありませんので、残された事実婚の配偶者が喪主として葬儀を行うことは可能です。ただし、相続人との関係でスムーズに運ばないケースもあります。
先ず、葬儀は死亡届を役所に出して、火葬許可証を発行してもらえれば執り行えます。
法律(戸籍法)では次に挙げる人たちが届出人になれます。
〇同居の親族、その他の同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人
〇同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者
事実婚の夫や妻はこの「その他の同居人」に該当しますので、死亡届を提出し火葬許可証を発行してもらうことは可能です。
ただし、故人に親族いる場合は親族が優先され、親族が主導して葬儀や火葬等を執り行うことになりかねないので注意が必要です。
生前から親族との関係が良好であり、事実婚への理解も得られているような状況であればさほど問題はないかもしれませんが、ご親族が事実婚に対し良い感情を持っていなかったような場合や、そもそも結婚に関しご親族の理解を得られないから事実婚をしていたような場合、感情の縺れからトラブルになり、スムーズに運ばない可能性もあります。
人が亡くなった際、誰に遺体や遺骨を引き取る権利があるのか、法律に明文の規定はありませんが、遺骨について最高裁判所は、遺骨は祭祀財産であり、「慣習に従って祭祀を主宰すべき者」に帰属するとしています。(最高裁平成元年 7 月 18 日判決)
そのため、遺言等でパートナーを祭祀主宰者に指定し、併せて死後事務委任契約を締結し、葬儀、火葬、埋葬等死後の事務をパートナーに任せる旨取り決めておくことが考えられます。
※祭祀主宰者
祭祀財産(位牌・神棚・仏像・仏壇・墳墓等)の管理や、故人の年忌法要の管理や主催を行う人
また、葬儀の費用に関しても準備が必要です。
この点、葬儀の費用に関しても、誰が負担すべきか法律に明文の規定はありませんが、喪主が負担することが一般的です。
ただ、人が亡くなると、故人の銀行口座は凍結され、財産は動かせなくなります。
相続人により葬儀費用等として預金の一部を引き出せる制度も出来ましたが、事実婚の配偶者は相続人ではありませんので、故人の口座から葬儀費用を引き出すことは出来ません。
相続人たるご親族等に費用負担を求めることも考えられますが、先述のようにご親族との関係が芳しくなければ、喪主自らで費用を準備する必要が出てきます。
費用の点についても、遺言や死後事務委任契約を締結するなどして準備しておくことが肝要です。
事実婚契約書、遺言、死後事務委任契約をご検討の方はご相談ください。
以前、お客様から
「事実婚(内縁関係)をしていたパートナーが突然亡くなってしまって、二人の貯えはすべてパートナーの口座に入れてあったんです。このお金がないと生活に困ります。何とかなりませんか。」
というご相談がありました。
このような場合、事実婚の残された一方はこの預金を相続できるのでしょうか。
結論から言いますと、事実婚の配偶者は法定の相続人ではありません。
なので、この預金を相続するのは難しいでしょう。
この方の場合、パートナーが亡くなる前に、「財産を事実婚の配偶者に遺贈する」との遺言を残していればよかったのですが、まだ若いということもあって遺言はされていなかったそうです。
そうなりますともうお手上げ状態です。
この方の場合は共同で購入した不動産はなかったのですが、不動産があったらさらに厄介です。
女性も働くことが当然となっている現在、事実婚のパートナーとペアローンを組んで居住用不動産を購入することも珍しくありません。
いくつか要件があったり、金融機関に依っても対応が異なりますが、事実婚のご夫婦の場合も、ペアローンを組んで不動産を購入できるようです。
このようにペアローンを組んで、共同で不動産を購入していた場合、亡くなったパートナーとの間に子どもがいれば、財産のすべてを子どもが相続することになりますのでさほど問題ではありませんが、子どもがおらず、相手の親が健在であればその親が相続することになります。そうなりますと残された一方と相手方の親との共有になってしまいます。
この場合でも、相手方の親が事実婚に対し理解を示し、良好な関係が築けていればまだよいのですが、事実婚に対し否定的であったり、また、そもそも親との関係が良好でないから事実婚を選択するケースも多くあります。そうなりますと感情の縺れもありスムーズに解決できないこともあります。
親との共有関係を解消するためには、一度親が相続して名義を変更し、そこから売買、贈与、遺贈等により譲り受けて共有関係を解消することになります。
考えただけでも頭が痛いですね。
事実婚を選択される場合には、このような事態も想定して遺言や死因贈与も併せて検討されるとよいでしょう。
夫婦として生活しているけれど、婚姻届は出していなかった。
この関係を解消する際、財産分与は請求できるのでしょうか。
婚姻の意思をもって夫婦として生活していたということであれば、この関係は事実婚(内縁関係)ということになろうかと思います。
かつて内縁関係について、判例はその法律関係を婚姻予約としていましたが、最近の学説では、準婚関係とするのが通説です。
最高裁判所は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異なるものでなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」(最高裁判所昭和33年4月11日)とし、これは、準婚関係を肯定したと理解されています。
そして、準婚関係には、婚姻関係の財産分与に関する民法768条※を類推適用するというのが最近の裁判例です。
したがって、パートナーとの関係が事実婚(内縁関係)といえるのであれば、財産分与を請求できるでしょう。
※第768条
1 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。
事実婚を解消するにはどうしたらよいか、というご質問があります。
事実婚は事実上の関係なので、終わる時もどのようにしたらよいか迷ってしまいますよね。
この点、法律婚であれば、夫婦が離婚することに合意し、離婚届を提出すれば離婚は成立します。合意が出来なければ調停、裁判に進むことになります。
これに対し事実婚の場合、スタートの時も特に婚姻届のような届出が必要だったわけではありませんので、終わる時も特に届出等の必要はありません。
二人が事実婚を解消することに合意し、慰謝料、財産分与、子どもの養育費等に関し取り決め、同居を解消すれば事実婚解消ということになります。
ただし、住民票で世帯を合併し、「妻未届」等の記載を届出ていた場合や社会保険上の届出をしていた場合、こちらを変更する手続きは必要になります。
では、夫婦のどちらか一方が事実婚解消に同意していない場合はどうでしょう?
事実婚を解消出来ないのでしょうか?
この場合、一方が関係解消を拒んだとしても、他方が事実婚を解消する意思で家を出て同居を解消すれば事実婚は解消されることになります。
ただし、手続きが必要ないからと言って好き勝手に解消してよいというわけではありません。
事実婚というのは、婚姻に準ずる関係として法的保護を受けることになります。「正当な理由」なくこれを一方的に破棄すれば、法律婚の場合と同様慰謝料の支払義務も生じることになりますし、また、財産分与の問題も生じます。
因みに、「正当な理由」というのは、民法に規定されている裁判上の離婚原因(第770条第1項)が参考になります。法律婚の場合、以下の事由がある場合に離婚の訴えを提起できることになっています。
※裁判上の離婚原因(民法770条第1項)
①配偶者に不貞な行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
以上のとおり、事実婚は事実上の関係に過ぎませんが、解消時には財産分与の必要がありますし、また不当に解消すると慰謝料の支払義務が生じることになります。
事実婚解消時にトラブルにならないよう、事実婚契約書を作成し、予め慰謝料、財産分与の方法等取り決めておくと安心です。
また、事実婚解消時には二人でしっかり話し合い、出来れば離婚協議書のような契約書を作成し、それを公正証書にしておかれるとより安心です。
事実婚契約書や事実婚解消の契約書をご検討の方はご相談ください。
事実婚(内縁関係)のパートナーが浮気をした場合、パートナーやその不貞相手に慰謝料を請求できるのでしょうか。
事実婚(内縁関係)というのは、
○婚姻の意思で
○共同生活を営み
○社会的に夫婦として認められているが
○婚姻届が出されていない男女の関係
上記のような要件を満たした関係ということになります。
※事実婚関係については以下を参考にしてください。事実婚
パートナーとの関係が事実婚と認められる場合、当該夫婦には法律婚と同様に貞操義務がありますので、これに違反した場合、パートナーに損害賠償請求ができる、つまり慰謝料を請求できるということになります。
また、不貞相手に対しても、共同不法行為者として、慰謝料を請求できるということになります。
ただし、事実婚を証明するのは簡単ではありません。
また、かりに事実婚と認められても、法律婚の関係より保護の度合いは低くなる可能性があります。
このような状況が心配ならば、事前にパートナーと事実婚契約書を取り交わし、不貞行為があった場合の大よその慰謝料額を決めておかれるとよろしいでしょう。
その他、関係解消時の財産分与、お子様に関する取り決め等することもできます。
事実婚契約書についてご不明な点があれば是非ご相談ください。
日本の民法には、夫婦間の契約は、いつでも取り消せるという規定があります。
その趣旨は、以下のとおりです。
〇夫婦間では、威圧、愛情から意思の自由が奪われることがある
〇法は家庭に入らず
この為、夫婦間で契約を締結する場合は少し注意が必要になります。
※民法754条
夫婦間で契約をしたときは、その契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
では、この民法754条は、事実婚(内縁関係)にも類推適用されるのでしょうか。
結論から言いますと、適用を肯定する説もありますが、一般的には否定されます。
裁判所の判断は以下のとおりです。
*大判昭和10年3月12日
「本条は内縁に適用すべきではない。」
*高松高裁平成6年4月19日
「民法754条は、夫婦間に紛争がないときはその必要性がなく、夫婦間に紛争が存在すれば、かえって不当な結果を招くことが多い規定であって、その存在意義が乏しいうえ、内縁の妻には相続権がないなど、内縁関係は婚姻関係に比べて内縁の妻の財産的保護に薄いので、仮に内縁関係に民法754条を類推適用すると、贈与を受けた内縁の妻の保護に欠けるところとなって、不当な結果を招来するので、同条は内縁関係に類推適用されるべきではないと解するのが相当である。」
事実婚契約書についてご不明な点があれば是非ご相談ください。
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