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有責配偶者というのはどのような意味なのでしょうか。
簡単にいいますと、有責配偶者というのは、自ら婚姻関係を破綻させ離婚原因を作り、婚姻関係を破綻させた配偶者のことをいいます。
たとえば、
夫が若い女性と浮気して、夫が家を出て行って5年になります。家を出て行って5年になります。
現在夫はその女性と暮らしているようです。
その夫から先日突然離婚調停を申し立てられました。
私は離婚に応じなければならないのでしょうか?
というご相談があるのですが、このご相談にでてくる夫は有責配偶者ということができます。
離婚原因というのは民法770条1項に定められていて、不貞行為、暴力、悪意の遺棄等のことを指します。
上記ケースの夫は不貞行為をはたらき、婚姻関係を破綻させている当事者なので有責配偶者ということになります。
この他、先に述べたような暴力や悪意の遺棄(勝手に家を出て行って、生活費も払わない等)を行い、婚姻関係を破綻させた者も有責配偶者となり得ます。
夫が浮気をして家を出ていってしまった。
その夫から離婚を求められている。この求めに応じなければならないのか。
という先ほどのご相談。
このような婚姻関係が破綻する原因を作った有責配偶者から離婚は認められるのでしょうか?
結論から言いますと、有責配偶者からでも離婚調停、離婚裁判の申立てをすること自体は可能です。
しかし、簡単には認められません。
申し立てできるか否かと離婚が認められるか否かは話は別なのです。
最高裁判所は、昭和27年の判例で有責配偶者からの離婚請求に対し、「勝手に愛人を持った夫からの離婚請求が許されるなら、妻は踏んだり蹴ったりである」と判示し、その後35年に亘って有責配偶者からの離婚請求を否定してきました。
しかし、すでに夫婦関係が破たんして回復不可能なのに離婚を認めないのは不自然であり、離婚を認めるほうがよいという考え(破たん主義)が台頭し、その後昭和62年に、最高裁判所は判例変更、厳格な要件のもと、有責配偶者からの離婚請求を認めています。
その要件とは以下の通り
① 夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当長期に及ぶこと ② 夫婦の間に未成熟(18歳程度まで)の子が存在しないこと ③ 相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的に極めて過酷な状況に置かれない |
①の別居期間について
どの程度であれば別居期間が長期にわたっていると判断されるのでしょう。
当初は別居30年とされていましたが、段々短くなる傾向にあり、22年、16年、10年のなり、平成2年11月8日の最高栽判決では8年で離婚を認めています。
②の未成熟の子について
未成熟の子とは、20歳未満であっても、親から独立して生計を営むことができていれば未成熟とは言えないでしょう。
おおよそ18歳程度までを未成熟としているようです。
また、未成熟の子がいる場合でも、離婚が絶対認められないわけではありません。
平成6年2月8日の最高裁判決では、未成熟の子高校2年生17歳の子がいる場合でも、別居期間が13年11月に及び、別居後毎月養育費を払ってきたこと、離婚に伴い経済的給付が期待できるとの理由から離婚を認容しています。
以上のように、離婚を認めるか否かは①〜③の要件を個別の事情に基づいて判断するのであって、
子供の利益なども合わせて総合的に判断されるべきものと考えられます。
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1.未成熟の子不存在で離婚が認容されたケース
○ 夫の不貞が原因で夫婦関係が破たんし、妻以外の女性と同棲関係にある夫からの離婚請求。同居期
間12年、別居期間36年の事案で最高裁判所は判例を変更し、有責配偶者からされた離婚請求であ
っても、両当事者の年齢及び同居期間との対比において、別居期間が相当の長期間に及び、その間
に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて
苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事
情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとす
ることはできないものと解するのが相当であるとの画期的判決を下しました。この判決の差し戻しい審
では、夫の離婚請求を認め、また妻から夫に対する財産給付の請求に対し、財産分与1000万円及び
慰謝料1500万円が認容されています。当時夫74歳、妻70歳(最高判例 昭和62年9月2日)
○ 夫の不貞が原因で婚姻関係が破たんし、夫は別女性と同棲。婚姻期間23年、別居期間8年の事案。
最高裁判所は、別居期間は8年ではあるが、有責配偶者である夫は別居後も妻子の生活費を負担し、
また別居後まもなく不貞の相手女性との関係を解消、さらに、離婚に際して妻に対して具体的で相応の
誠意がある財産分与を提示しており、成年に達した子らも離婚を当事者の意思に任せる意向であること
から離婚請求を肯定しています。当時夫52歳、妻55歳(最高判例 平成2年11月8日)
2.未成熟の子不存在で離婚が否定されたケース
○ 夫の不貞行為により婚姻関係が破たんし、夫は別女性と同棲。同居期間22年、別居期間8年余りの
事案。最高裁判所は夫を有責配偶者と認定し、別居期間8年が当事者双方の年齢や同居期間を考慮
すると相当長期に及んでいるものということはできないとして離婚を否定しています。有責配偶者であ
る夫が別居期間中の妻の生活をみなかったなど有責配偶者の背信性が強い事案であったとみられま
す。当時夫60歳、妻57歳(最高判例 平成元年3月28日)
3.未成熟の子存在で離婚が認められたケース
○ 夫が家族を捨て家を出た後別の女性と同棲。同居期間14年11月、別居期間13年11月の事案。最
高裁判所は、未成熟の子(高校2年生・17歳)が存在しても、有責配偶者からの離婚を認めました。未
成熟子が幼少の頃より妻に養育され、間もなく高校を卒業すること、夫は別居後妻に毎月生活費を送
金していること、夫から妻に離婚にともなう経済的給付が期待できること(財産分与として700万の提
供)から離婚をみとめたものです。当時夫56歳、妻54歳(最高判例 平成6年2月8日)
4.未成熟の子存在で離婚が否定されたケース
夫が女性問題で家を出て婚姻関係が破たんとなった。同居期間6年7月、別居期間2年4月の事案。最
高裁判所は、正常な夫婦として生活できる見込みはないことを認めつつ、別居期間が2年4か月であり、
双方の年齢や同居期間との対比において相当長期に及んでいるとはいえないこと、未成熟の子(7歳)
がいること、妻が子宮内膜症を患っているため就職して収入を得ることができず、離婚後精神的・経済
的に苛酷な状況に置かれることから離婚を認めませんでした。当時夫33歳、妻33歳(最高判例 平成
16年11月18日)
出典 最高裁判所判例集 裁判所判例検索
5.双方に有責性がある場合に離婚が認められたケース
不貞行為を行った妻から、暴力を振るい、生活費を入れなかった夫への離婚請求がなされた事案。
夫婦関係の破たんについて主たる原因は妻側にあるが、夫にも責任があり、別居期間も長期(同居期
間17年2か月に対し別居期間9年8か月)に及んでいて、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして
離婚請求を認めた。当時夫 54歳 妻53歳 子供はすでに成人。(最高判例平成5年11月2日)
出典 家裁月報46巻
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