配偶者から悪意で遺棄されたとき

1.悪意の遺棄とは

 夫婦には同居・協力・扶助義務というのがあります(民法752条)。

遺棄」というのは、正当な理由なく同居を拒否し、この義務を履行しないことをいいます。

 

悪意」というのは夫婦共同生活を壊してしまおうとする積極的な意図、若しくはこれを認容する意思のことをいいます。

 

 つまり、「悪意の遺棄」というのは積極的に夫婦共同生活を壊す意図を以て相手を置き去りにして家を出てしまい、生活費も入れない行為や、相手方を自宅から追い出すだけでなく相手が出ざるを得ないように仕向け復帰を拒むことも含まれます。

 

 裁判例上で悪意の遺棄とされる典型的な事例として、

 夫が家を飛び出して、身体障害者の妻を自宅に置き去りにし、長期に亘り全く生活費を送金しなかった事案があります。

 

 また、夫が行き先も告げず、以後の生活方針についても何ら相談することなく、妻と3人の子供をおいて独断で上京に踏み切った事案においても、裁判所は「敢えて夫婦、家族としての共同生活を放棄した」として悪意の遺棄を認定しています。

 

 さらに、外形上は同居していても生活費を全く渡さず、配偶者としての扱いをしていない場合にも、これに該当する可能性があります。 

 

2.同居義務違反とその正当理由

1で述べたとおり、夫婦には同居・協力・扶助義務というのがあります(民法752条)。

 同居を拒否しこの義務を履行しなかった配偶者は、正当な理由がない限り「悪意の遺棄」をしたことになり、婚姻関係破綻の主たる原因を作ったとして(有責配偶者)、当該配偶者からの離婚請求がみとめられづらくなったり、他方の配偶者から慰謝料の請求をされる可能性があります。

 

 しかしながら、上記同居義務違反は、単に同居していない状況すべてをいうのではなく、不当な同居義務違反に限られます。

 したがって、同居義務に違反するような場合でも、正当な理由があれば同居義務違反とはならず、「悪意の遺棄」にはあたらないということになります。

 

 例えば、夫が単身赴任するような場合や、病気や子供の学校の都合で一時的に離れて暮らす場合、その他夫婦が冷却期間を置くためやむを得ず当分の間別居するような場合も同居義務違反ということはいえないでしょう。

 

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