慰謝料請求を肯定した裁判例

 大学医学部の講師が医学部大学院で指導していた大学院生に対し、学会で訪れていたホテルにおいて

 性的関係を強要し、抱き着き、ベッドに押し倒した事案。講師は相手女性が性的勧誘に応じていたとして

 して過失相殺を主張したが認められず、裁判所は慰謝料300万円、弁護士費用30万円の支払いを認め 

 た。(千葉地裁 平成13年7月30日) 出典 判例時報

 同僚社員である相手からセクハラ行為(卑猥な言辞や無理やりキスをしようとした)を受けた女性が、精神

 的苦痛を被り、そのショックのために会社を退職せざるを得なくなったとして不法行為の慰謝料、逸失利

 益、治療費等の損害賠償請求をした事件。裁判所はセクハラ行為自体は短時間でそれほど激しいもので

 はなかったが、セクハラ行為に至る経緯等に照らし、一時的にしろ看過できない精神的苦痛は予見可能

 であるとして慰謝料200万円、治療費11万8360円、弁護士費用20万円の支払いを認めた。(埼玉地

 裁 平成19年12月21日) 出典 判例秘書

 会社社長が女性従業員に対する性的嫌がらせ(卑猥な言辞や、相手の手や尻にさわり、また相手に抱き

 ついたり、追い回したり)を勤務中に行い、その後正当な理由もなく女性を解雇した事案。裁判所は、当該 

 行為は相手女性の人格権を違法に侵害するものであるとし、また当該解雇は解雇権の濫用にあたり違法

 であるとして、社長と会社それぞれに100万円の慰謝料の支払いを認めた。(東京地裁 平成9年2月

 28日) 出典 判例タイムズ947号

職場において上司から継続的にパワーハラスメント及びセクシャルハラスメントを受けたとして、元上司に慰謝料支払いを求めた事案。元上司は、女性を勤務時間内外を問わず運転手のようにこき使い、頭をたたいたり、髪を引っぱるなどの暴行をした。また性的な発言をし、もも、膝など体を触っていた。裁判所はこれらの行為がセクハラパワハラ行為にあたると認定し、女性の方が明示的に拒否する態度をとっていなかったとしても、自由な意思に基づくものでなかったとして慰謝料220万円の支払いを命じた。(水戸地裁 平成22年2月1日 ) 出典 判例秘書


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