肉体関係がなければ慰謝料は請求できないのか?

時々、夫が女性と親密な交際をしているのだけれど、肉体関係があったことの証拠まではありません。

この場合、慰謝料の請求はできないのでしょうか?

 

というご相談をいただくことがあります。

 

通常、自由な意思に基づき配偶者以外の異性と肉体関係を持った場合(不貞行為)、夫婦の一方配偶者は、他方、不貞行為を行った配偶者とその相手方に対し、慰謝料の請求ができます。

 

では、肉体関係さえなければ、抱き合ったり、キスしたり、デートしても一切慰謝料請求ができないのでしょうか。

 

過去の裁判例を探してみますと、肉体関係までは認められない事例でも損害賠償を認めたものがあります。

 

宿泊等不貞関係を推認させる交際が問題となった事案でしたが、肉体関係があったとは認定せず、そのうえで「健全な社会通念に照らし社会的妥当性の範囲を逸脱する違法なものたる評価をさけえないものであり、婚姻関係に破たんを来たさせる要因として不法行為責任を免れえない。」として損害賠償責任を認めています。(東京高等裁判所昭和47年11月30日)

 

また、昨年興味深い判決も出ています。

平成26年3月の大阪地裁によるプラトニック不倫に関するものです。

 

男性と女性は会社の同僚であり、出張などで互いの地を行き来し、デートを重ねる中、男性が肉体関係を求めたものの、女性はこれを拒否。しかし、その後も2人は花火大会や体育館でのバドミントンなど“清い交際”を続けたというものでした。この同僚女性の存在から男性の妻への態度が冷たくなり、怪しんだ妻が証拠を集めて女性を訴えました。

 

判決は、同僚女性が夫に何度も肉体関係を迫られながら、巧みにかわして「貞操」を守ったと認定しています。

 

しかし、同僚女性が夫のアプローチをはっきりと拒絶せず、逢瀬を重ねて二人きりの時間を過ごしたことから、「同僚女性の態度と夫の(原告女性への)冷たい態度には因果関係がある」と判断しました。

 

また、同僚女性が肉体関係を求められて拒否したにもかかわらず、その後も逢瀬を重ねたことを「社会通念上、相当な男女の関係を超えたものと言わざるを得ない」と指摘。

そのうえで44万円の支払を命じています。

 

この同僚女性は控訴しているので、覆る可能性があり、

何が正しいのかは最高裁の判断がでるまで分かりません。

 

ただ、不貞行為に対する慰謝料請求権の根拠は、「夫婦一方が相手方に対して有する貞操権の侵害」

「平穏な夫婦関係の破壊」とされています。
 

そのため、仮に肉体関係がない場合でも社会通念上妥当な範囲を逸脱した交際をし、夫婦関係の平穏を侵害していると認められれば、不法行為として慰謝料の請求ができるものと考えてもよさそうです。

 

同じようなことでお悩みの方一度ご相談くださればと思います。

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