妊娠中絶で慰謝料を請求できるのか

交際中の彼の子を妊娠してしまいましたが、そのことを伝えると彼は私を避けるようになりました。

私はすごく不安で傷ついているのに、彼は逃げるばかりです。

彼に中絶の費用と慰謝料を請求したいと思っていますが、このような請求ができるでしょうか。

 

というご相談を受けることがよくあります。

 

中絶の費用については、特に法律上明文の規定があるわけではありませんが、当事者双方が合意のうえ関係を持ったのであれば当事者が折半するのが公平かと思いますので、半分の額を請求されてもよろしいかと思います。

もちろん、相手が全額支払ってくれるというのであればそれも可です。

 

しかしながら、婚姻関係や婚約関係にない男女の交際において、中絶に係る慰謝料の請求まではできないというのが一般的な考えです。

 

慰謝料というのは相手の故意過失のある行為により、自らの権利、身体、財産等が侵害された場合(不法行為民法709条)に請求できるものですが、当事者双方が納得して関係を持った結果であれば、不法行為は成立しないと考えられるからです。

 

しかし、数年前のものになりますが、大変興味深い裁判例があります。

 

結婚相談所を通じて交際を始めた当事者双方が合意で性交渉をし、合意のうえ妊娠中絶手術となった。

その後女性は男性に対し、妊娠及び中絶に対し条理上の責任を負うと主張して、治療費、慰謝料を請求した事案です。

裁判所は、「男性が女性の身体的、精神的苦痛や経済的負担の不利益を軽減し、解消するための行為をしないことが不法行為に該当する」として114万円の賠償責任を認めました。

 

                東京高等裁判所 平成21年10月15日  (判例時報2108号)

それまで妊娠中絶慰謝料を請求することはできないと考えられていました.

しかしこの判決は、不法行為の成立範囲を拡大して、慰謝料の支払を命じており、泣き寝入りを迫られる女性を救うものとして注目されています。

 

今後の男女交際の在り方、妊娠、中絶問題を考えるにあたって参考になるのではないでしょうか。

すべての中絶事案で慰謝料が認められるわけではなく、ケースバイケースではありますが、相手の男性の対応があまりに不誠実であれば慰謝料の請求が可能とうこともあるかと思います。

 

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